490101 asa

昭和４９年０１月０１日　朝の御理解

　「礼を言う、心こもれる言葉なり、日本の言葉、お世話になります。」「礼を言う、心こもれる言葉なり、日本の言葉、お世話になります。」

　この詠は教祖様が年頭に当って御挨拶になります。最後に印して居られる御詠です。「礼を言う、心こもれる言葉なり」礼を言う心が、内容に籠って居らなければいかんのです。是は一切のものにお世話にならなければ、生きて行けない。天地の御恩恵の一切が御恩恵と言う事になる。有難うございます、御世話になりますとだけ言うておれば良いと言うのではない。礼を言その心が籠っておらなければならない。
　ですか礼を言う心が大事なのです。その心清らか麗しい、そういう心の中から生まれてくる、有難いであり言わば御世話になりますでなからなければ、値打ちは無いと思います。朝目覚ましのおかげを頂く。それも礼を言う心の籠ったものでなからなければ、値打ちはありません。只それを言わなければならん。それを言うておれば良いというのではない。そこで私共が愈々教えを元にした生き方、愈々教えを身につけて行こうとする精進。そういう精進の心から自ずと礼を言う心が生まれてくる。
　そこから御世話になりますでなから無ければならんと言える。今年は愈々大変難しい年になりそうです。先日から熊本の日奈久の富永先生が、夫婦で年末のお礼に見えました。新しい年を迎えるにあたって、日奈久教会の今年の願いの中心と、又どういう願いを以って焦点とさせて頂いたなら、よいでしょうかというお伺いであり、御願いでございました。年末の事でございますからとにかく、今年中おかげを蒙らせて頂いた事を。
　あれこれと思わせて頂いてとにかく今年は、御礼を言う事に絞らせて頂けば、自ずと新しい年の願いと言うのが出て来るでしょうと言うて居りましたら、天地の神様から世界の難儀を願えと言う事を頂いた。これはいつの事だって私どもは同じですが、また願って居ります。世界真の平和、総氏子身の上安全。願っておりますけれども取分け、世界の難儀な様相というものがです。愈々深刻になりそうな今年です。その事私共が今年は願いの中心としなければならない。
　私というものが中心でなくて、やはり世界を中心にする。愈々和賀心時代を創ると云った様な信心が、本当に表面に出されなければならない。と言うてもです、それを願う心がない。礼を言う心籠れる心でなからなければ、只社会の難儀を願って居ればよいと言うのではない。問題は願う心が神様に通わなければならない。願う心が神様に喜んで頂くものでなければならない。云うならば浅ましい心を持って居るものが、「どうぞ、どうぞ社会の難儀と言うてもです。
　本当に神様の御心に叶わない心で、今日もまた御世話になりますと言うたって、通じない。問題は有難い事を願う大きな事を願う、又は日々の中にある生活の上においてです。全ての事に御世話になります、お世話になりますと、只それを連発しとけば良いと言うのではない。それを言う心が大事である。その心を愈々神様の心に叶う心と言う事に、焦点が絞られなければならない。それでいて世界の難儀を願うのであり、総てのものに対する神恩奉謝の心。全ての事にお世話になります。
　という信心にならせて頂かなければならない。私は是は言い古して来た事でございますけれども。今年もどうでも一つ「地真水心」と言う事に精進をさせて貰う。昨日の朝の御理解で頂きました様に、信心とは真心と教祖様は表現しておられる「信心の道を迷わず失わず、末の末までも教え伝えよ」と教えられる信心とは真心です。真心とは私は昨日は実意という風に聞いて頂きました。金光様の御信心というのは実意である。
　そういう実意の心を以って、世界の難儀の事を願い、日々の自分の身の周りの事に、一切、御世話になりますという心を持たなければならない。その実意な心が愈々実意な心としていわば有難い、真心の信心が出来る事のために、私共の修業の眼目と云う所を、どうぞ一つ地真水心。地の真水の心。教祖様はその事を「天地日月の心になる事肝要」と仰せられる。問題は矢張りそれか肝要なのです。
　それから願いが立てられるものでなからなければ、口で願っておるだけで通わなかったら、神様に御喜び頂けれる心を以って願うという、その根本の心がです。所謂真心でなからなければならない。信心でなからなければならない。そこを愈々信心にならせて頂くためにです。地真水心と云う「地の真、水の心。」一切の事を黙って受けて行く寛大さ。どういう窮屈の中にでも入っていけれる、形に添って行けれる。その問題を問題としないで済む生き方。どういう所にでも信心になっていけれる水の様な心。
　この信心を愈々極めて行く事より外に無いであろう。それで世界の事を願うのであり、それで全ての事に「御世話になります」と云う始めて「神恩奉謝の心」というものが、本当なものになって行く様に思うのです。今年はどうでも教祖様の御詠に表わしておられます様に、『礼を云う心籠れると』礼を云う心の籠れるおかげ、『礼をいう心籠れる言葉なり、日本の言葉御世話になります。』これが神様に通う程しの、御世話になりますが言える、私達を願わせて貰わなければならんと思いますね。
　　　どうぞ。